社内業務では、毎日や毎月の繰り返し作業、ルーティンワークが多数存在しています。事務作業にかかる時間が他の業務に影響を与えているケースも少なくありません。

Copilot が導入されてから、ExcelでのCopilotは英語のみの利用でしたが、現在は日本語にも対応しています。

今回は、Excelで「Copilot for Microsoft 365」を使用し、業務効率化をどのように実現できるかを探ります。

実は、CopilotはVBAコードを生成できる

自動化といえばExcelにはVBA（Visual Basic for Applications）というプログラミング言語があり、マクロを作成することができます。

実は、CopilotはVBAコードの生成も可能です。VBAは、Excelで使用できるプログラミング言語で、繰り返し行われるタスクを自動化したり、カスタム関数を作成したりすることができます。

集計からレポートまでを自動化

今回は、売り上げなどのデータを集計してレポートにまとめる作業をVBAのコードをCopilotに作成してもらい実行してみます。

まずはExcelでCopilotを利用するには、表を作成してテーブルに変換しておく必要があるようです。という事でまずは集計表を用意します。

表をテーブルへ変換する方法については以前投稿した記事「膨大な書類申請も…。TeamsとPower AutomateとSharePointとPlannerで作る情報管理術！」で紹介しておりますので下記リンクをご参照ください。

店舗A

店舗B

新しいシートにデータを集約

1つにまとめたほうがレポート作成の作業が効率化されますのでまとめていきます。

CopilotにVBAの作成を依頼①

店舗A、店舗Bの各シートを一つシートにまとめるVBAを書いてください

Sub MergeSheets()
Dim ws As Worksheet
Dim wsDest As Worksheet
Dim LastRow As Long
Dim LastRowDest As Long
Dim i As Integer
Dim HeaderRow As Integer
HeaderRow = 1 'ヘッダー行の行番号を指定してください
'新しいシートを作成
Set wsDest = ThisWorkbook.Sheets.Add
wsDest.Name = "MergedData"
'最初のシートのヘッダーをコピー
Set ws = ThisWorkbook.Sheets("店舗A")
ws.Rows(HeaderRow).Copy wsDest.Rows(HeaderRow)
'各シートからデータをコピー
For Each ws In ThisWorkbook.Sheets
If ws.Name = "店舗A" Or ws.Name = "店舗B" Then
LastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
LastRowDest = wsDest.Cells(wsDest.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row + 1
For i = HeaderRow + 1 To LastRow
wsDest.Rows(LastRowDest).Value = ws.Rows(i).Value
LastRowDest = LastRowDest + 1
Next i
End If
Next ws
End Sub

以上はCopilotが作成したVBAコードになります。

VBAコードを記述する

次に標準モジュールにVBAコードを記述していきます。

1.[開発]タブをクリックします。※[開発]タブが表示されていない場合は、[ファイル]タブをクリックして、[オプション]を選択し、[カスタマイズリボン]をクリックして、[開発]チェックボックスをオンにしてください。

2.[開発]タブの[Visual Basic]をクリックします。

すると、下記の画像のようなVBAの操作画面が開きます。

3.[挿入]メニューから、[モジュール]をクリックします。

追加された標準モジュールに先ほどコピーしたコードをペーストして実行します。

※マクロを含むブック保存するには、保存時に[ファイルの種類]のドロップダウンメニューから、[Excelマクロ有効ブック（*.xlsm）]を選択します。

店舗A、店舗Bの各シートまとめたMergedDataのシートが作成されました。

日別や店舗別、商品別などにデータ集計

CopilotにVBAの作成を依頼②

MergedDataのシートで対象期間を選択したデータを取得するVBAコードを書いてください

Sub FilterByDate()
Dim ws As Worksheet
Dim LastRow As Long
Dim StartDate As Date
Dim EndDate As Date
Dim DateCol As Integer
DateCol = 1 '日付の列番号を指定してください
StartDate = #4/11/2024# '開始日を指定してください
EndDate = #4/20/2024# '終了日を指定してください
Set ws = ThisWorkbook.Sheets("MergedData")
LastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'フィルターを適用
ws.Range(ws.Cells(1, DateCol), ws.Cells(LastRow, DateCol)).AutoFilter Field:=1, Criteria1:=">=" & StartDate, Operator:=xlAnd, Criteria2:="<=" & EndDate
End Sub

以上はCopilotが作成したVBAコードになります。上記マクロ有効ブックとして保存すると同じように新たにモジュールを追加して実行します。※対象期間に関しては、コード作成後対象期間を指定してます。

4/11～4/20の期間内のデータがフィルタされました。

CopilotにVBAの作成を依頼③

MergedDataのシートで店舗項目を元に項目値別に集計するVBAコードを書いてください

Sub SummarizeByStore()
Dim ws As Worksheet
Dim LastRow As Long
Dim StoreCol As Integer
Dim QuantityCol As Integer
Dim StoreA As Long
Dim StoreB As Long
StoreCol = 5 '店舗の列番号を指定してください
QuantityCol = 3 '数量の列番号を指定してください
Set ws = ThisWorkbook.Sheets("MergedData")
LastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'店舗Aと店舗Bの数量を集計
For i = 2 To LastRow
If ws.Cells(i, StoreCol).Value = "A" Then
StoreA = StoreA + ws.Cells(i, QuantityCol).Value
ElseIf ws.Cells(i, StoreCol).Value = "B" Then
StoreB = StoreB + ws.Cells(i, QuantityCol).Value
End If
Next i
'結果を表示
MsgBox "店舗A: " & StoreA & vbCrLf & "店舗B: " & StoreB
End Sub

以上はCopilotが作成したVBAコードになります。上記コードの記述と同じように新たにモジュールを追加して実行します。

店舗ごとの数量の合計値が出ました。

売り上げ金額などを元にグラフを作成

Copilotにグラフの作成を依頼①

数量項目を縦棒グラフで作成してください

Copilotにグラフの作成を依頼②

売上項目を折れ線グラフで店舗項目ごとに作成してください

Copilotにグラフの作成を依頼③

店舗Aの取引先会社名別に売上の円グラフを作成してください

Copilotにグラフの作成を依頼④

店舗Bの取引先会社名別に売上の円グラフを作成してください

後はグラフを並べ替えて体裁を整えたらレポートの完成です。

Microsoft Copilot の法人向けライセンスは当社でも販売しています。

こちらから
https://www.saas-maru.com/item/384

まとめ

今回は「Copilot for Microsoft 365」を使って、VBAのマクロを簡単に作成できることを試してみました。私はVBAをほとんど触ったことがなかったのですが、Copilotとの対話で、やりたいことを伝えるだけで動作するVBAのマクロを組むことができました。出力結果を理解すれば、さまざまな使い方ができそうです.