サイバー攻撃が増加し、それによる損失も大きなものになっています。従来型の境界型セキュリティには限界があるため、いまや多層防御やゼロトラストなどのセキュリティへの移行が必須です。ハイパーがおすすめするSASE「Harmony SASE」は、どのようなメリットがあるのか、SASEの必要性とともにご紹介します。

サイバーセキュリティによる損害は多大なものに

ランサムウェアなどのサイバー攻撃被害が国内外で増加しています。

国立研究開発法人情報通信研究機構（NICT）では、サイバー攻撃の大局的な動向を把握することを目的として、サイバー攻撃関連通信の観測・分析システム「NICTER」を運用しています。このシステムでは、ダークネットと呼ばれる未使用のIPアドレスを観測します。本来、未使用のIPアドレスには通信が届かないのですが、マルウェアに感染した機器などからサイバー攻撃に関連した通信が大量に届くのです。

このダークネット観測で2023年に確認された総観測パケット数は約6,197億パケット。2015年が約632億パケットだったことから、8年で10倍近くになっていることがわかります。

また、サイバーセキュリティに関する問題が引き起こす経済損失は、トレンドマイクロ株式会社の調査によると年間約1億2,528万円にも及びます。

SASEとはどういうものか？

SASE「Secure Access Service Edge」は2019年に米国ガートナー社が提唱した、新しいネットワーク・セキュリティの概念です。それまでのセキュリティは、デバイス、PC、サーバーなど、それぞれのデバイスや構成に対してひとつずつソリューションを実装することが主流でした。

例えば、PCからインターネットへのアクセス、PCからサーバーへのアクセスなどの境界にファイアウォールなどのソリューションを用いるといった具合です。

けれども、サイバー攻撃の方法が多様になり、また、ネットワークが複雑につながるようになった現在、境界型セキュリティでは限界があります。

そこで主流になりつつあるセキュリティ対策がゼロトラストです。ゼロトラストは、ネットワークの内外を問わず、すべてのデバイス、ユーザーを信用しないという考え方です。

SASEは、このゼロトラストを含むセキュリティ対策の考え方に、運用の最適化を加えた概念です。SASEを構成するソリューションを導入すれば、ゼロトラストを実現できるともいえます。

SASEを構成するのは、主に次の4つとなります。

SWG（Secure Web Gateway）

従業員の利用するPCなどのデバイスと、社外ネットワークの安全を保って通信を中継するプロキシサービス。従来のプロキシサーバーは、社内ネットワークと社外ネットワークの境界に設置されていましたが、SWGは多くの場合クラウドサービスとして提供されています。

CASB（Cloud Access Security Broker）

複数のクラウドサービスのプロバイダーとユーザーの間に設置し、統合的なコントロールポイントの役割を担うソリューションです。クラウドサービスの利用状況を可視化し、一貫性のあるセキュリティポリシーを適用します。

FWaaS（FireWall as a Service）

クラウド型のファイアウォール。クラウドプラットフォームやアプリケーションなどの周りに仮想障壁を形成するもので、オンプレミスサーバーも保護が可能です。

ZTNA（Zero Trust Network Access）

ゼロトラストに基づいたアクセス管理ソリューションです。

ハイパーおすすめの「Harmony SASE」とは？

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社（米国）が、SASEテクノロジーをグローバルに提供するPerimeter81社（イスラエル）を2023年に買収。Perimeter81の既存のプラットフォームを活用・拡張し、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社のソリューションに統合し、開発したのが「Harmony SASE」です。

Harmony SASEのコンセプトは以下の4点。

1. ネットワーク・セキュリティをクラウドサービスとして提供

2. ネットワーク・セキュリティ機能を集約

3. リモート・ユーザーとオフィスを保護

4. 安全にアプリケーションに接続

DNSフィルタリング、マルウェア検査、Secure Wi-Fi Traffic、URLフィルタリング、SSLインスペクションなど、高度な保護機能を持ちます。

最小10ライセンスから契約可能なため、小規模拠点、リモートユーザーでもクラウドで保護されます。

デバイス検査（On-device network protection検査）では、クラウド経由でインターネット通信のルーティングを回避し、スピードとセキュリティの両立を実現します。

企業によっては、部署ごとにポリシーが異なることもありますが、1テナントで複数のポリシーとして管理が可能です。

また、Windows、macOS、Linux、iOS、AndroidなどのさまざまなOSに対応し、PCだけでなくスマートフォンへも同一ソリューションの導入が可能なので、業務によって異なるOSのデバイスを用いていても適用します。

IPのソース制限もできるので、特定のデバイスだけ特定のSaaSにアクセスさせるといった利用方法も可能です。

インストール方法も簡単。管理者がユーザーのメールアドレスを登録すると招待メールが送信され、ユーザーはメール内に記載されたURLをクリックし、ログインのためのエージェントをダウンロードします。インストール後にサインインすれば、ユーザーが認識されて、ユーザーが所属するプロファイルに応じた制御が開始されます。

デバイスをリプレースする際、サインアウトし、新しいデバイスでエージェントをインストール、サインインすれば移行は終了。古いデバイスからのアンインストールも不要です。

まとめ

・サイバー攻撃による損失が増大している
ゼロトラスト、SASEなどの多層型のセキュリティ対策が必須に
Harmony SASEは、10ライセンスからの契約が可能

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