独立行政法人情報処理推進機構（以下、IPA）では、セキュリティ対策に役立つ様々なコンテンツ・ツール等を提供しています。今回はそれらの中から厳選して5選を紹介します。

IPAが公開するセキュリティ対策コンテンツ＆ツール等

早速、IPAが提供する、セキュリティ対策に役立つコンテンツやツール等を紹介します。なお、ここで取り上げるのは、以下サイトで紹介されているものの中から、とくに情報システム部門の担当者が押さえておきたいものを厳選したものになります。

【セキュリティ取り組み状況を可視化】サイバーセキュリティ経営可視化ツール

「サイバーセキュリティ経営可視化ツール」は、IPAと経済産業省が発行した「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0」で定める重要10項目の実施状況をレーダーチャート表示で可視化できるツールです。ツールの利用対象は原則従業員300名以上の企業・組織です。

利用方法は簡単で、以下サイトにてツールをダウンロードした上で、チェックリストの40の設問に、自社の状況に最も近い選択肢を選ぶだけ。設問に回答すれば、自動的にチャートが更新・完成されます。同ツールは、現況の定量的な把握以外にも、例えば情報システム部門が上層部へ自社のセキュリティ対策状況を説明する際の資料としても活用できるでしょう。

参考：サイバーセキュリティ経営可視化ツール｜IPA

【社内研修で活用可】YouTubeチャンネル「IPA Channel 」

IPAでは情報セキュリティに関わる脅威や対策を学べる映像コンテンツをIPAのYouTubeチャンネル「IPA Channel 」で公開しています。

例えば「華麗なる情報セキュリティ対策」シリーズは、従業員が普段すべき8つの対策を8つの動画（まとめ版除く）で紹介しています。8つの動画はいずれも2分以内の短編のため、さくっと視聴できるでしょう。また「今、そこにある脅威〜組織を狙うランサムウェア攻撃〜」ではランサムウェア攻撃について、手口や対策などについてドラマ形式で紹介しています。

そのほかにも同チャンネルでは情報セキュリティに関する多様な動画を公開しています。社内研修に動画を活用したい人はぜひ以下リンクをご確認ください。

参考：映像で知る情報セキュリティ｜IPA

【セキュリティの考え方等を学べる】中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン

IPAが公開する「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」では、情報セキュリティ対策に対する考え方や今すべき対策等を把握することができます。

例えば、同ガイドラインでは、これまで情報セキュリティ対策をとくに意識していなかった企業には「情報セキュリティ5か条」で挙げられる対策（ウイルス対策ソフトの導入や共有設定の見直し等）の実行を勧めています。さらに、これができている企業には「5分でできる！情報セキュリティ自社診断」で自社の現況把握と未着手対策の実行を推奨しています。

このような具合で、同ガイドラインでは企業毎の対策状況に応じてすべきことを丁寧に解説をしています。そのほか「インシデント」や「クラウドサービス」など基本的な用語の説明もされているため、セキュリティ対策の基本の「き」にを改めて学びたい情報シス担当者にもおすすめです。

参考：中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン｜IPA

【専門家に相談ができる】企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口

IPAでは以下の相談内容に関する相談窓口として「企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」を設けています。

● 各種インシデント発生時の初動対応に関する相談

● 標的型サイバー攻撃に関するインシデント相談

● その他の情報セキュリティに関する一般的な相談

● 脅威情報に関する情報提供

同窓口からは、インシデント対応を行う専門業者一覧や中小企業等における各種支援ツール・支援施策など、幅広い情報セキュリティ領域の情報を得ることができます。とくにインシデントが発生した際には頼れる強い味方と言えるでしょう。なお、相談方法はメールです。

参考：企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口｜IPA

【セキュリティ対策の自己宣言】SECURITY ACTION

「SECURITY ACTION」とは、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度のこと。取り組み状況に応じて「★一つ星」と「★★二つ星」があります。星を獲得することで、自社の情報セキュリティへの取り組み状況を社外に示し、取引先からは信頼を獲得することが期待できます。

なお、「一つ星」と「二つ星」の宣言ハードルは決して高くありません。とくに「★一つ星」を宣言するには「（中略）『情報セキュリティ5か条』に取組んでください」とのこと。これまで情報セキュリティ対策に取り組んだ経験のない企業でも比較的すぐに宣言できるはずです。

参考：SECURITY ACTION｜IPA

関連記事：「情報セキュリティ10大脅威 2025」発表！組織に対する脅威と対策
https://hypervoice.jp/ipa_threat_2025

まとめ

IPAでは情報セキュリティ対策に役立つコンテンツ・ツール等を多数提供中
例えば「サイバーセキュリティ経営可視化ツール」を使えば、自社のセキュリティ取り組み状況を簡単に見える化できる
またインシデントの初動対応等について相談可能な窓口も設けている