経済産業省（以下、経産省）および独立行政法人情報処理推進機構（以下、IPA）では、DX推進に必要な5つの人材類型および類型ごとに必要なロール（役割）およびスキルを定義しています。本記事では人材類型やロールの概要およびロールを目指すにあたって受講したい講座を経産省とIPAが運営するデジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」の中から紹介します。

5つの人材類型とロール・スキルの概要

2024年7月公表の「デジタルスキル標準ver.1.2」において経産省とIPAは、DX推進に必要な主な人材を5つの人材類型に分類しています。また各人材類型にはロール（役割）も設定されています。

ビジネスアーキテクト：
DXにおける目的設定や導入、導入後の効果検証を関係者と調整しながら推進する人材（ロール例：ビジネスアーキテクト｟新規事業開発｠）
デザイナー：
ビジネス・顧客・ユーザー視点を踏まえた製品・サービスの方針策定やありかたをデザインする人材（ロール例：UX/UIデザイナー）
データサイエンティスト：
DXにおけるデータ収集・解析のための仕組みの設計・実装・運用を行う人材（ロール例：データエンジニア）
ソフトウェアエンジニア：
DX推進のためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を行う人材（ロール例：フロントエンドエンジニア）
サイバーセキュリティ：
サイバーセキュリティ対策を担う人材（ロール例：サイバーセキュリティマネージャー）

参考：デジタルスキル標準ver.1.2｜経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構

さらに各類型で設定されたロール（例えば、人材類型「デザイナー」における「UX/UIデザイナー」）別に、必要なスキルも設けられています。例えば以下は人材類型「データサイエンティスト」のロールの一つ「データサイエンスプロフェッショナル」に必要なスキルの一部です。

引用：デジタルスキル標準ver.1.2｜経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構より一部抜粋

各ロールに設定された必要なスキルの活用方法について、例えば企業はデジタル人材戦略策定や人材確保の取り組みに反映させることができるでしょう。また個人としても、自身のキャリアプランに応じて必要なスキルの棚卸しや研修コンテンツ受講時の参考にすることができます。

ロール別「マナビDX」講座

5つの人材類型からさらに区分されたロールによって必要なスキルは異なります。そのため、情報システム担当者が今後のキャリアを構築する上では「①どのロールを目指すのか」を決めた上で「②そのロールに求められるスキルを学ぶこと」が重要です。

では、スキルはどのように学べば良いのでしょうか。ここではご参考までに、一部ロールに求められるスキルを学ぶために有効な、経産省とIPAが運営するデジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」の講座を紹介します。

なお、ここで紹介する講座は一部のロールに限られます。必要に応じて以下リンクより該当のロールを選択して講座の詳細をご覧ください。

参考：デジタルリテラシー講座デジタル実践講座｜マナビDX

【人材類型：ビジネスアーキテクト】ビジネスアーキテクト向け講座

人材類型・ビジネスアーキテクトのロールである「ビジネスアーキテクト（新規事業開発・既存事業の高度化・社内業務の高度化）」を目指す人におすすめの講座が「ビジネスアーキテクトに必須のビジネスアナリシス基礎研修」です。同講座では、ビジネス戦略策定やシステムエンジニアリング、ビジネスモデル設計、ビジネス調査・検証などをビジネスアーキテクトとして有効に行う知識・スキルを学ぶことができます。ビジネスアーキテクトとしてのキャリアを歩みたい人はぜひ検討したい講座と言えるでしょう。

参考：ビジネスアーキテクトに必須のビジネスアナリシス基礎研修｜マナビDX

【人材類型：デザイナー】UX/UIデザイナー向け講座

人材類型・デザイナーのロールの一つ「UX/UIデザイナー」になるためにおすすめの講座が「UI/UXデザイナーコース」です。同講座ではデザインスキルに加え、ユーザー視点に立ったUI/UX設計スキルを学習することができます。前提知識不要で初学者から学ぶことができるため、これからUX/UIデザイナーを目指す人にもおすすめです。

参考：UI/UXデザイナーコース｜マナビDX

【人材類型：データサイエンティスト】データエンジニア向け講座

人材類型・データサイエンティストのロールの一つである「データエンジニア」を目指す人におすすめなのが「AI・データサイエンス実践長期コース」です。同講座では、生成AIを用いたソリューション提案スキルやPythonを用いたデータ分析・機械学習・ディープラーニングの実装スキルなどの習得を目標としています。より大きな括りとして、生成AIをビジネスに活用したい人にもおすすめです。

参考：AI・データサイエンス実践長期コース｜マナビDX

【人材類型：ソフトウェアエンジニア】フロントエンドエンジニア向け講座

人材類型・ソフトウェアエンジニアのロールの一つ「フロントエンドエンジニア」を目指す人が検討したいのが「Webエンジニア就職コース Python 6ヶ月」です。同講座では、Webサービス開発に必要なプログラミングスキルの習得を目指しています。現役Webエンジニアの専属プロメンターが毎週メンタリングを実施するほか、チャットで質問し放題な点も特徴です。一方、未経験者を対象とした講座ではあるため、自身のスキルに応じて受講の有無を検討すると良いでしょう。

参考：Webエンジニア就職コース Python 6ヶ月｜マナビDX

【人材類型：サイバーセキュリティ】サイバーセキュリティマネージャー向け講座

人材類型・サイバーセキュリティのロールの一つである「サイバーセキュリティマネージャー」を初心者から目指したい人におすすめの講座が「ハッカーかずの部屋メンタースクール 4ヶ月コース」です。同講座の受講対象者は完全初心者からサイバーセキュリティ専門家を目指す人。コンピューターに関する基礎的な知識から上級レベルのサイバーセキュリティ知識まで、幅広い領域を学習することができます。

参考：ハッカーかずの部屋メンタースクール 4ヶ月コース｜マナビDX

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まとめ

経産省とIPAは、DX推進に必要な5つの人材類型および類型ごとのロール（役割）を定義している
「マナビDX」では、各ロールを目指す人に効果的な講座を提供している
例えばロールの一つ「データエンジニア」には「AI・データサイエンス実践長期コース」がおすすめ