Windows 10のサポートは2025年に終了することが発表されていますので、ギリギリになって慌てないよう、今から移行を進めておきましょう。

Windows 10 サポート対応期限

Windows 10のサポート終了期限を迎えました。

OSの移行状況はアイルランドの企業が提供しているアクセス解析サービスのStatCounterによると、2025年5月時点でWindowsのバージョン別シェアはWindows 10が47.1%、Windows 11が50.84%となっており、Windows 11移行が進んでいることがわかります。

2025年10月にはサポートが終了することも発表されているため、まだ社内にWindows 10のPCが多いようなら早めにWindows 11への移行を進めることをおすすめします。

出典：Desktop Windows Version Market Share Japan | Statcounter Global Stats

Windows 10 サポート期限とWindows 11 への移行期間

Windows 11へ移行2つの方法

既存PCのOSをアップグレード

Windows 10のPCは、無償でWindows 11へのアップグレードが可能です。ただし、Windows 11には以下の要件があるため、現在使用しているPCが条件を満たさない場合はほかの方法をとる必要があります。

Windows 11の主なシステム要件
CPU：動作周波数 1GHz以上、2コア以上 64bit 互換プロセッサー
メモリ：4GB以上
ストレージ：64GB以上
グラフィックスカード: DIRECTX 12 以降・WDDM 2.0ドライバーとの互換性
システムファームウェア：UEFI、セキュアブート対応
TPM：バージョン2.0
ディスプレイ：9インチ・720ｐ以上
インターネット接続と Microsoft アカウント

Windows 11との互換性をチェックするツールがMicrosoftより提供されています。「PC正常性チェックアップリ」で、チェックを実行すると、お使いの機種がWindows 11のシステム要件を満たしているかどうかを確認できます。

Windows 11_互換性の確認｜マイクロソフト社
https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11#pchealthcheck

Windows 11搭載PCにリプレース

現在のPCが上記の要件を満たしていない場合や、耐用年数の4年に迫るPCは新しい機種に入れ替えたほうがいいでしょう。

ハイブリッドワークにはWindows 11が最適

Windows 11は、ゼロトラストセキュリティ対応。ユーザーIDや位置情報、デバイスの正常性、データ分類、異常などのデータポイントに基づいて常に確認と認証を行います。

Just-In-TimeとJust-Enough-Access (JIT/JEA)、リスクベースの適応型ポリシー、データ保護を使用してユーザーアクセスを制限し、データを保護します。また、サイバー攻撃による侵害を想定し、エンドツーエンドの暗号化を確認、脅威を検出して防御を向上します。

Windows 10アプリとの互換性は99.7％以上になっており、Microsoft Endpoint Managerをはじめとした管理機能はそのまま使えます。また、Microsoft Teamsと連動したコラボレーションも可能です。

Windows 11では大きくUI（ユーザーインターフェース）が変更になり、Windows 10まで左側にあったスタートボタンが中央に移動されました。

それによって使いづらさがないのか、気になるところではないでしょうか。

とりあえず使い勝手を試したい、というときに使えるのが以下のサイトです。

・Win 11 in React
https://win11.blueedge.me/

Windows 11で追加・強化された機能

Windows 11は、Windows 10から何が変わったのでしょうか。追加または強化された機能を確認してみましょう。

その1. Microsoft Teamsとの統合

テレワークやハイブリッドワークを導入しており、Microsoft Teamsをよく使用する企業にとって、Windows 11のMicrosoft Teamsとの統合は見逃せません。Windows 11専用に設計されたTeamsで、チャットやWeb会議にシームレスに参加できるようになりました。タスクバーに標準で表示される「チャット」ボタンから簡単にTeamsを立ち上げることができます。

従来、Teamsでのオンライン会議中のマイクオン／オフや画面共有などは、Teams画面の中で操作していましたが、Windows 11ではタスクバーにこれらのボタンが表示されるようになっています。

その2. 音声入力での文書作成

Windows 11は音声入力に対応。Windows 10にもディクテーション機能はありましたが、対応言語が英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語・繁体中国語のみでした。そこでWindows 11では日本語を含む、多数の言語がカバーされるようになりました。

音声入力の言語は切り替えも可能なので、海外との取引が多い場合や語学学習にも便利です。

その3. 複数ウィンドウのレイアウト設定

新しく加わった機能の一つに「スナップレイアウト」があります。複数のウィンドウを開いて作業することはよくありますが、このときにバランスよくウィンドウを配置できる機能が「スナップレイアウト」です。2つのウィンドウを均等に1/2・1/3・1/4サイズで並べたいなどというときに、各ウィンドウをそれぞれサイズ調整する必要がありません。

使用方法は簡単で、あらかじめ用意されたレイアウトパターンを呼び出し、そのレイアウト内ゾーンをクリックしてウィンドウをスナップするだけ。

これを使うだけでも負担が少しずつ減り、業務時間の削減につながりそうです。

その4. セキュリティ強化

Windows 11のセキュリティは「ゼロトラスト」という考えに基づいて設計されています。ゼロトラストというのは、「何も信用しない」という意味で、全てのネットワークにはリスクが潜んでいるとして対策を考える方法です。

具体的にはWindows Hello for Businessが強化され、指紋リーダーや照光式IRセンサーなどの生体認証を用いてパスワードレスでも認証されるようになりました（PC本体にセンサーが付いていることが条件です）。

その5. 作業の自動化

今回、RPA（Robotic Process Automation）のPower Automate Desktopが追加され、追加費用なしで作業の自動化を図れるようになりました。RPAというと特別な知識が必要なように感じるかも知れませんが、難しく考える必要はありません。

例えば、メール添付で送られてきたファイルを定めたフォルダーに自動で保存するといった日常のルーティンワークの負担を軽減するためにも使えるのです。

なお、Power Automate DesktopはWindows 10ユーザーもダウンロードすれば無料で使えます。

Windows AutopilotやMicrosoft Intuneを使うなら

従業員のPCをより安全に、システム担当者の作業を増やさずに管理するなら導入したいのがWindows AutopilotとIntune。

Autopilotはクラウドベースのデバイス展開ツール。各PCの設定やアプリケーションのインストール、セキュリティポリシーの適用などを、クラウド上で行えます。

Microsoft Intuneはモバイル端末を管理するMDM（Mobile Device Management）、モバイルアプリケーションを管理するMAM（Mobile Application Management）の機能をもっています。

この2つを導入するには、以下のいずれかのライセンスが必要になります。

Microsoft 365 Business Premium
Microsoft 365 F1またはF3
Microsoft 365 E3またはE5
Enterprise Mobility＋Security E3またはE5

Windows 11への移行と同時に、ライセンスも見直し、必要に応じてAutopilotやIntuneの導入を検討してはいかがでしょうか。

Microsoft 365 E3/E5には、EDRを行うエンドポイントセキュリティソリューション「Microsoft Defender for Endpoint」が含まれています。

これをIntuneと連携させると、簡単にEDRのデバイスへの展開や管理が簡単に行えます。

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Active Directory環境の見直し

Windows 11への移行の際、ライセンスの見直しとともにもう一つ確認しておきたいのがActive Directory（AD）環境です。オンプレミスADを利用しているなら、クラウドのMicrosoft Entra ID（旧：Azure AD）への移行も視野に入れるといいでしょう。

Microsoft Entra ID（旧：Azure AD）はインターネットを介して、さまざまなサービスの認証を提供できるように設計・構築されています。Autopilot、IntuneをMicrosoft Entra ID（旧：Azure AD）と連携すると、クラウド上で認証・認可およびモバイルデバイス・モバイルアプリを一元管理することができるようになります。

Windows Autopilotで展開

Windows Autopilotでのキッティングは、マスターイメージを作成し、そのイメージを取得して、各デバイスに展開します。

展開は3ステップで完了。

デバイス登録
デバイス構成に関する重要な詳細事項の設定（プロファイル割り当て）
各従業員に発送

とはいえ、リプレースするPCの数が多かったり、システム担当者の手が足りなかったりするときは、マスターイメージの各PCへの展開などの時間も負担になるでしょう。キッティング中、何台ものPCをまとめて置くスペースの問題も出てきます。

ハイパーでは、法人向けパソコンキッティングサービスを行っています。各拠点や店舗への分納など、47都道府県での対応が可能です。

また、使用済みのPCの処分時にはデータを正しく消去しないと、情報漏えいのリスクがあります。複数台のPCをまとめて処分するときは1台ずつデータ消去を行うのも大変です。

ハイパーで、不要になったPCやサーバー、周辺機器の買取サービス、廃棄処分も行っています。専用ソフト上書方式、磁気破壊方式、物理的破壊方式の3種類のデータ消去方法のいずれかで対応し、「データ消去証明書」を発行しますので、安心してご依頼いただけます。

まとめ

Windows 10のサポート終了は2025年。ギリギリで慌てないよう早めに11への移行を
Windows 11への移行は、OSアップデートかPCのリプレース
Windows 11への移行と同時にハイブリッドワークに適したサービス導入も検討を