現在でも多くの企業で稼働しているサーバー向けOS「Windows Server 2012」「Windows Server 2012 R2」が、2023年10月にサービス終了となります。1年先の話ではありますが、企業のサーバー移行は1年以上にわたる場合もあり、セキュリティリスクの観点からも、すみやかなサーバー移行作業が必要です。しかし、人員不足やコストの問題から、なかなか着手できないという企業も多く存在します。そこで今回は、OSのサポート終了にどのように対応すればよいのかについて解説します。

Windows Server 2012/2012 R2とは？

Windows Server 2012は、2012年9月5日にMicrosoft社がリリースしたサーバー向けのOSです。クライアント用OSであるWindows 8がサーバー向けに提供されたものと考えていただいて構いません。2013年10月17日には、Windows 8.1をベースとしたWindows Server 2012 R2がリリースされました。

10年前のOSであるWindows Server 2012/2012 R2ですが、現在でも物理サーバーだけで40万台以上(株式会社MM総研「国内Windows Server 2012稼働台数調査」2021年12月)、仮想サーバーも含めるとその数倍の台数が稼働していると考えられています。

このWindows Server 2012/2012 R2は、2023年10月10日にサポートが終了することがすでに決定しているため、新しいシステムへの移行が必須となっています。1年先のことではありますが、企業のサーバー移行は、現状の把握から機器の選定、システムの構築などを慎重に行う必要があり、完了まで1年以上かかることもあるため、今から移行を始めておくことが重要です。

サポート終了後に使いつづけているとどうなる？

移行作業の必要性はわかっていても、人員不足やコストの問題もあり、すぐには移行作業に取りかかれないという企業も多くあります。しかし、サポートが終了しているシステムを使いつづけることは、大きなリスクがあります。

まず、Microsoftによるサポート終了後はセキュリティ更新プログラムが提供されないため、システムに新たな脆弱性が見つかった場合は、脆弱性が残りつづけることになります。こうなるとサイバー攻撃の標的となる可能性も高く、社内システムへの不正アクセス、情報漏洩などのセキュリティリスクが非常に高くなります。

また、企業内でシステム障害などが発生した際は復旧に時間がかかり、その間ビジネスが停止してしまうリスクもあります。

システムの障害が発生しなくとも、ハードウェアの老朽化という問題もあります。通常、物理サーバーの設計寿命は5年程度であり、Windows Server 2012/2012 R2が稼働しているほとんどのサーバーはすでに寿命を超過しています。故障率が高いというリスクのほか、交換部品が枯渇すれば、修理も不可能になってしまう可能性もあります。

「サーバーOSの移行」がサービス終了への唯一の対応方法！

Windows Server 2012/2012 R2を現在も使用している場合、サーバーOSの移行は必須の作業となります。2022年現在であれば、最新OSであるWindows Server 2022に移行することになるでしょう。Windows Server 2022はSecured-Core Server(セキュアコアサーバー)という高度なセキュリティ対策が施されているほか、仮想化技術を活用することでサーバー運用台数も削減され、2031年までの延長サポートも予定されています。

業務システムなどが稼働しているサーバーを移行するためには、OSだけでなく業務システムもアップグレードする必要があり、すぐに移行するのは難しいこともあるでしょう。しかし、ハードウェアの故障やセキュリティリスクといった問題は早急に解決する必要があります。

この場合は、ひとまず既存のサーバーを仮想サーバーに移行することをおすすめします。Windows Server 2022であれば、1台分のサーバーライセンスで2台の仮想サーバーを使用することができます。「既存のサーバー」と「新しいサーバー」の2台の仮想サーバーを構築し、新旧のサーバーを並行稼働させながら、時間をかけてサーバー移行を行うことができます。

サーバー環境の入れ替えは社内環境をクラウド化するチャンスです。Windows Server 2022であれば、今話題のクラウドPC「Windows 365 Enterprise」との組み合わせにより、社内のサーバー・クライアントを全てAzureクラウドサービス上に移行することができます。クラウドサービスであれば、ハードウェアの修理や経年劣化を気にする必要もなく、災害対策やテレワークの推進にもつながります。

Microsoft Azureの有効活用

https://www.hyper-ss.jp/pickup/pickup07.html

ハイパーサービス＆サポートについて

今回のサポート終了に伴うサーバーOS移行の必要性について解説してきましたが、サーバーの移行や構築について、自社だけではどうしても人員が不足する場合や、自社の状況に適したサーバー移行の方法を知りたい場合には、サーバー移行のプロフェッショナルによるサポートを受けるという手もあります。

株式会社ハイパーが提供するハイパーサービス＆サポートは、Windows Server 2012/2012 R2からの最新OS搭載サーバーへの移行において、さまざまなケースで豊富な実績があります。さらに企業のIT環境のクラウド化や、物理サーバーと仮想サーバーを併用する「ハイブリッドサーバー」など、サーバーシステムの新規構築もサポート可能です。

Windows Server 2012/2012 R2 マイグレーション

https://www.hyper-ss.jp/pickup/pickup37.html

まとめ

・Windows Server 2012/2012 R2は、2023年にサービス終了
・セキュリティリスクを回避するためにも、今からサーバー移行に着手する必要がある
・自社だけで移行をするのが不安な時は、専門業者に相談を