ランサムウェアなどのサイバー攻撃による被害が日々ニュースとなっており、セキュリティ対策の重要性を「知らなかった」とは言えない時代になっています。しかしその一方、多様化するサイバー攻撃に対して「何から対策したらいいのかわからない」という声もよく聞かれるようになりました。

そこで今回はビジネスツールとして身近な存在であるMicrosoft 365 Business Premiumから始めるセキュリティ対策について解説します。

中堅・中小企業はサイバー攻撃の標的となりやすい

まず前提として認識しなければならないことは、近年のサイバー攻撃の大半が「営利目的」であるということです。機密情報を窃取する、オンラインバンキングなどで不正送金する（あるいは送金するよう誘導する）、情報を暗号化して多額の身代金を要求するといった攻撃が中心です。DDoS攻撃やWebサイトの改竄といった業務妨害を目的とした攻撃もありますが、これも多くの場合は金銭を要求するための脅迫手段であることが多いと言われています。

営利目的であるであるなら、より多額の身代金を支払える大手企業を狙うのではないかと思われるかもしれません。しかし、最近の攻撃者たちは、大手企業と取引のある中堅・中小企業を狙う傾向にあります。

こうした攻撃を「サプライチェーン攻撃」と呼びます。大企業はセキュリティ対策に掛けられる費用も潤沢で、専任のセキュリティ担当者を雇用することも可能です。そのため攻撃者たちは最初にセキュリティ対策が甘い企業のシステムに侵入し、サプライチェーンで繋がった大手企業へと侵入を試みるようになっています。実際、こうしたサプライチェーン攻撃によって、自動車工場の製造ラインが停止するなどの事件も発生しています。

ひとたび重要な情報が流出する、あるいは取引先への不正アクセスの足掛かりとなってしまえば、その損失は計り知れません。システムの復旧や新たなセキュリティ対策にかかる費用はもちろん、場合によっては多額の損害賠償が請求されてしまうケースもあります。企業としての信頼も大きく損なわれてしまうため、顧客や取引先も失ってしまうことになるでしょう。中堅・中小企業こそ、取り返しがつかない事態となる前にセキュリティ対策を万全にしておくことが大切です。

なぜMicrosoft 365がセキュリティ対策になるのか

いきなりセキュリティ対策と言われても、何から始めたらいいのかわからないという経営者も少なくありません。

そうした企業におすすめなのが、Microsoft 365 Business Premiumです。

Microsoft 365はWord、Excel、PowerPoint、Outlookといったオフィスアプリケーションを常に最新状態で利用できるサブスクリプション型のクラウドサービスです。Microsoft 365にはさまざまなプランがありますが、Microsoft 365 Business Premiumはユーザー数300人未満の中小企業向けにメールフィルタリング機能、多要素認証、アクセス制御、デバイス管理、EDR (Endpoint Detection and Response)といった高いセキュリティ性能を提供しています。

マルウェアの多くは、フィッシングメールを利用してシステム内に侵入することで知られています。ユーザーの中にはフィッシングメールに添付されたファイルをうっかり開いてしまったり、記載されているURLにアクセスしてしまったりすることでマルウェアの侵入を許してしまうことがあります。しかし、事前にメールをフィルタリングすることで、こうしたリスクを低減することが可能です。

Microsoft 365はWindowsだけでなく、macOS、iOS、Androidでも動作します。PC、タブレット、スマートフォンなどマルチデバイスで利用できる便利なツールである反面、情報漏洩や不正アクセスの原因になってしまうこともあります。そのため、Microsoft 365 Business Premiumには、なりすましや不正アクセスを防止する目的で多要素認証や条件付きアクセスなどの機能が提供されています。また、Intuneというデバイス管理(Mobile device Management : MDM)やモバイルアプリケーション管理(Mobile Application Management : MAM)の仕組みも利用できます。

そして、Microsoft 365 Business Premiumには、MicrosoftのEDRソリューションであるMicrosoft Defender for Businessが含まれています。EDRとはシステム内にあるあらゆるエンドポイントを常に監視することで、システムへの不正侵入を検知すると共に、“侵入されてしまった後”でも、マルウェアの感染拡大、情報流出、暗号化を含むシステムへの破壊を防ぐ仕組みです。

このようにMicrosoft 365 Business Premiumは、オフィスアプリケーションだけでなく、企業にとって必要なセキュリティ機能を、さまざまな角度から提供するサブスクリプションプランだと言えます。中堅・中小企業が取り組むセキュリティ対策として、身近なMicrosoft 365のプランから見直すというのは非常に前向きではないでしょうか。

ゼロトラストという考え方

最近のセキュリティ対策は「ゼロトラスト」という考え方が主流になっています。これはMicrosoft 365 Business Premiumで提供されているセキュリティ機能でも同様です。ゼロトラスト、つまり「すべてを信頼しない」ということは、「すべてをチェックする」という意味でもあります。１日に何通もやり取りするメール、テレワークの従業員が使用するデバイスなど対策しなければならないことは数多くありますが、Microsoft 365 Business Premiumであれば多角的にセキュリティ対策を利用することが可能です。

また、既存のセキュリティ対策は、ウィルス対策ソフトなど“侵入されることを防ぐ”ことを目的とした仕組みが中心でした。しかし、どれだけ対策していても完全に侵入を防ぐことができる保証はありません。

そのため、EDRはエンドポイントを監視して収集した情報を解析し、マルウェアの侵入や不正アクセスを許してしまった場合でも、即座にこれらの攻撃に対応してシステムの正常な状態を維持しようとします。また、WindowsにはMicrosoft Defenderというウィルス対策ソフトが標準で搭載されています。その名前が示すように、Microsoft Defender for BusinessはWindowsのMicrosoft Defenderとも親和性が高いツールです。ウィルス対策ソフトで侵入を阻み、万が一侵入されてしまってもEDRでシステムを健全に維持できるという二段階の対策が可能になります。

セキュリティ対策となると、専任の担当者が不在の企業にとっては敷居が高いと感じるかもしれません。

しかし、ハイパーであれば導入支援や技術サポートを提供可能です。

もちろん、導入前に活用方法など詳しい説明が必要な方向けに動画なども用意しておりますので、気軽にお問い合わせください。

株式会社ハイパーのMicrosoft365アウトソーシングサービスはこちら！

https://hypervoice.jp/service-3

まとめ

中堅・中小企業は大企業を標的とするサイバー攻撃の入り口として狙われている
ひとたびサイバー攻撃の被害に遭えば損失は計り知れない
Microsoft 365 Business Premiumはゼロトラストに多角的なセキュリティ対策を実施する