ペーパーレス化やe-文書法により、スキャナーを使う機会が増えた企業も多いのではないでしょうか。もし、コピー機にスキャン機能などが付いた複合機で作業を行っているなら、ドキュメントスキャン専用機の導入をおすすめします。

スキャナーの種類

スキャナーは、形状からフラットヘッド型とシートフィーダ型に分けられます。

複合機や、写真や絵などを取り込むイメージスキャナーは、カバーをあけてガラス面に原稿を置く大半がフラットヘッド型です。イメージスキャナーとして販売されているものは解像度が高く、色もきれいに再現できるように作られています。

アート系、グラフィック系などに携わっている業種なら、フラッドヘット型のイメージスキャナーを設置するといいでしょう。

フラッドヘッド型は、書籍や冊子をばらさずに使えることもメリットです。その反面、1枚（1ページ）ずつでしかスキャンできないのがデメリットです。短時間で大量にスキャンするのには向きません。

シートフィード型は、自動給紙可能なドキュメントスキャナーを指します。書類をまとめてセットすれば連続スキャンできます。

機種にもよりますが、両面を同時にスキャンできるものや、サイズの異なる書類を重ねてスキャンできるものもあります。サイズがバラバラな領収書なども、そのまま重ねてセットできるので便利です。

e-文書法（電子文書法）をおさらい

e-文書法は、2005年から始まった「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」のことです。これにより、商法や関連法令、税法で保管が義務付けられている文書を、デジタルデータで保管することを許可されました。

電帳法（電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律）と混同されることもありますが、こちらは「国税関係書類をデジタルデータで保存することに関する法律」です。e-文書法は、電帳法を含むあらゆる書類の電子化を指すともいえます。

e-文書法の保存法として定められているのは以下の4点です。

● 見読性：PCのディスプレイで見やすい解像度が必要です。
● 完全性：改ざんされていないものであること。訂正などが加わった場合は、その履歴がわかるようにすることが必要です。
● 機密性：電子データの保存は、アクセス制限をかけて閲覧者を限定することが必要です。
● 検索性：保存したデータを検索できるようにすることが必要です。

電帳法は、さらに2点の要件が加わります。

● 真実性の確保：改ざんされていない本物の書類であることを証明できる必要があります。
● 可視性の確保：誰でも視認、確認できるようなものでなければなりません。

以上の要件を満たすには、次に挙げるようなスキャナーのスペックが大切になります。

● 解像度：200dpi以上
● 階調：重要書類は24bit（RGB各色8bit）、一般書類は4bit（RGB各色8bit）または8bitグレースケール
● 保存形式：PDF、JPEG、TIFF、BMP
● 画質：改ざんあとを検出できる階調であること、4ポイントの文字を認識できること

エプソンのe-文書法対応機がおすすめ！

ドキュメントスキャナーで、上記の要件を満たすものには「e-文書法対応」などと明記されています。ラベルを見て選ぶか、販売店やメーカーに確認してから購入するといいでしょう。

エプソンのe-文書法対応スキャナーのドライバー「Epson Scan 2」では、「e-文書（カラー）」または「e-文書（モノクロ）」を選択可能。設定後は自動的にe-文書法の要件を満たしたスキャンが行われます。

領収書などをe-文書モードでスキャンしたとき、元の領収書にホワイトでの修正があるとはっきりスキャンデータに表れます。これが通常モードだと、改ざんがわからないのです。

A4ドキュメントスキャナー　DS-970

1回に100枚の原稿を重ねてセッティングでき、300dpiのカラー原稿の場合、1分間で約85枚の文書を読み取ります。両面同時にスキャンできるため、ページ数では1分間に170面。

ADF（オートドキュメントフィーダー）機能で、100枚を超えるドキュメントのスキャンも途中で継ぎ足しながら行えます。

対応する原稿種類は、普通紙はもちろん、封筒、ハガキ、名刺、プラスチックカードなどさまざま。最大サイズはA4までですが、二つ折りでキャリアシート（別売）にはさめばA3やB4のドキュメントもスキャンできます。

フラットベッドスキャナーのGT-S660接続すると（接続ユニット別売り）、冊子や破れてしまった原稿もスキャン可能です。

スキャナー　DS-790WN

スキャナーは、PCと接続して使うタイプが多いのですが、これはPCレスでスキャンし、共有フォルダーやメール送信、USBドライブ、クラウドなどにスキャンデータを保存できます。

スキャナー本体だけでもユーザー認証に対応し、セキュリティ面でも安心です。

両面同時読み取り対応で、1分間にA4原稿で45枚/90面スキャンできます。

A4ドキュメントスキャナー　DS-C480W

パーソナル用の小型スキャナー。読み取り速度は1分間にA4原稿で30枚/60面と、ビジネス用スキャナーより性能は落ちますが、e-文書対応なので要件は満たしています。

在宅勤務中にスキャナーが必要な従業員がいる場合や、サテライトオフィスごとに複数台導入が必要なときに便利です。

スキャン原稿をスキャナー本体の上部から排出するリターン給紙タイプなので設置スペースを選ばないのもメリットです。

DS-790W同様、PCレスでも使えます。

まとめ

・事務系の業務にはドキュメントスキャナーがおすすめ
・e-文書法対応の機種を選ぶことが大切
・ドキュメントスキャナーなら1分で約85枚のスキャンが可能な機種も

スキャナーの種類

e-文書法（電子文書法）をおさらい

エプソンのe-文書法対応機がおすすめ！

A4ドキュメントスキャナー DS-970

スキャナー DS-790WN

A4ドキュメントスキャナー DS-C480W

まとめ

A4ドキュメントスキャナー　DS-970

スキャナー　DS-790WN

A4ドキュメントスキャナー　DS-C480W