政府は、経済安全保障の強化に向けた対策として、電力や通信など基幹インフラへのサイバー攻撃を防止するため、政府は企業が重要な設備を導入する際に事前の審査を行う方針を発表。10月4日、対象となる見込みの209の企業や団体が公表されました。

本記事では経済安全保障推進法について再度内容を確認するとともに、基幹インフラ事前審査制度に対応するための重要な指標について、詳しく解説します。

経済安全保障推進法とは

経済安全保障推進法は、2022年5月に成立・公布、2022年8月から一部が施行された法律です。

2022年5月に成立した経済安全保障推進法は、「重要物資の安定的な供給の確保」「基幹インフラ役務の安定的な提供の確保」「先端的な重要技術の開発⽀援」「特許出願の非公開」の4本柱で構成されています。

社会インフラへのサイバー攻撃の状況

これまでも、電力・ガス・水道など社会インフラを支える業種は、サイバーセキュリティ基本法14条に基づき、定期的に「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」が策定され、各政府機関および該当するインフラ事業者はこれを踏まえて、サイバー攻撃に対する備えを行ってきました。

しかし、サイバー攻撃の標的は、社会を支えるインフラを標的とした事案、地域社会そのものが被害者となる事案も規模を問わず幅広く多岐に発生しており、昨今露呈した有事の際のサプライチェーンの脆弱性、価格高騰や物資難への対応、およびサイバーセキュリティへの対応という観点からも、インフラのサイバーセキュリティをいかに確保するかという課題となっています。

基幹インフラ事前審査制度の導入

政府は基幹インフラ内の重要設備に対して、外部からハッキング等の妨害行為が行われることを防止するために、基幹インフラへの重要設備の導入・重要設備の維持管理等の委託について事前審査を受けることを義務付けました。

事前審査では、
▽導入する設備のメーカーがどこの国の会社なのかや、役員の氏名、国籍の確認
▽サイバー攻撃に対する対策状況などを確認するとしています。

経済安全保障推進法では、インフラ企業が重要設備の導入等を行う場合に、政府が事前に審査する制度が導入されました。2023年春頃に適用開始予定までには準備進める必要があります。

インフラ事業者に迫られる対応

指定された企業及びその企業のサプライヤは、重要設備の導⼊時や維持管理の委託に際して新たな手続きへの対応が必要となります。来年度以降のビジネス継続のため、2023年春頃までに、リスク分析を早い段階で行い今後の規制強化に備える必要があります。

リスク分析に関して、経済産業省が発行している「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」が、セキュリティ対策を行うに当たり参照すべき考え方やステップを示しているため、業界団体や個社が自らの工場を取り巻く環境を整理し必要な工場のセキュリティ対策を企画・実行していく際に役に立つガイドラインとなっています。

参考ガイドラインについて

工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン｜経済産業省https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/wg1/factorysystems_guideline.html

あらゆる企業の情報セキュリティ対策を支援！ハイパーのセキュリティア推進部

詳細はこちら：https://www.securitier.jp/security/ciso/cisocs/