ChatGPTの登場以来、多様なサービスがリリースされている生成AI。画像生成AIがよく話題となりますが、画像生成AI以外にも「えっ、こんなこともできるの？」と驚くような機能を持つAIもたくさんあります。

今回は、話題の3つの生成AIを実際に使用してみた体験レポートをお届けします！

音楽生成AI「Suno AI」

「Suno AI」は歌詞を入力するだけで楽曲を制作してくれる音楽生成AIです。開発したのはアメリカ・マサチューセッツ州に拠点を置くSuno Inc。作曲スキルはもちろん、任意の文章を打ち込めばSuno AIが歌詞を提案してくれるため作詞スキルも必要ありません。

上記がSuno AIの制作画面です。早速楽曲を作ってみましょう。

プロンプトを入力して「Create」をクリックすれば、30秒程度で曲を作ってくれます。今回は「情報システム担当者が生産性向上を目指す歌」とプロンプトを入力してみました。

ちなみに「Custom Mode」にすると、より詳細な歌詞や音楽のジャンル、タイトルを設定することができます。例えば上記はCustom Modeにて、「情報システム担当者の応援歌」と入力し、「Generate Lyrics（歌詞生成）」をクリックして歌詞を生成してもらった画面です。音楽のジャンルは「ロック」と指定してみました。

https://x.com/MONACA_kosaki/status/1734817881366671377?s=20

なお、「Suno AI」について作曲家の方からは上記のような反応もありました。作曲家の視点から見てもSuno AIの評価は高いようです。

無料版は商用利用ができませんが、好きなテーマ・テキストを入力してどんな楽曲が出来上がるのか、さまざま試してみるのも面白いかもしれません。

画像生成AI「Adobe Firefly」

「Adobe Firefly」はアドビ株式会社が2023年9月に一般提供を開始した画像生成AIです。プロンプトを入力するだけで、画像を生成してくれます。

画像生成AIサービス自体は他にもありますが、Adobe Fireflyの特徴は生成した画像の商用利用が可能な点です。また画像生成以外にもオブジェクトを追加・削除、テキスト変形などができる機能も搭載しています。

こちらがAdobe Fireflyの画像生成画面です。今回は「パソコンを操作する情報システム担当者」とプロンプトを入力してみました。実際に必要な画像を揃えるとなると、早くても15分程度はかかると思いますが、Adobe Fireflyでは15秒程で4パターンの画像が生成されます。

生成された画像の1つがこちら。パソコンの型や無機質なオフィスの雰囲気はやや気になるものの、それ以外はとくに大きな違和感はないのではないでしょうか。

さらにAdobe Fireflyでは縦横比やコンテンツタイプ、効果などを細かく設定して画像を生成することもできます。

例えばこちらは、先ほどと同様に「パソコンを操作する情報システム担当者」とプロンプトを入力したあと、コンテンツタイプを「アート」、効果は「モダンアート」に設定して生成した画像です。上記のクオリティーであれば、SNSや動画のサムネイル、広報誌の挿絵など、ちょっとした用途にも使えるのではないでしょうか。

普段「画像作成に時間が掛かっている」と感じている方は、Adobe Fireflyで業務効率化を図れるかもしれません。

プレゼン資料生成AI「パワポ生成AI」

「パワポ生成AI」は2023年12月より株式会社ユーザーローカルが提供している、プレゼンテーション資料をAIで自動生成するサービスです。

パワポ生成AIでは、作成したい種類のテンプレートを選択するだけで、スライドのアウトラインが自動で掲示・生成されます（必要に応じてアウトラインの編集をすることも可能）。

また「アウトライン自動生成」タブを使えば、キーワードからアウトラインを自動生成することもできます。今回はこの「アウトライン自動生成」タブを使用して、株式会社ハイパーの会社説明資料のアウトライン生成してみました。

テンプレートは「会社案内・採用資料」を選択。「株式会社ハイパー」とキーワードを入力し、「関連するキーワードを生成」をクリックします。

続いて、「追加のプレゼン内容を入力（任意）」には以下の内容を入力しました。

・株式会社ハイパーの会社説明資料です。経営理念は「ユーザーニーズ実現企業」。法人のお客様を対象にコンピュータ本体やソフトウェア、周辺機器などを販売する「ITサービス事業」を中核にビジネスを展開。平成26年度より「障がい者支援」の目的で「チャレンジド支援プロジェクト」を社内にて発足。1990年に創業し、1993年にパソコン販売事業、2001年にはアスクル事業に参入した。

「生成AIでアウトラインを生成」をクリックして、パワポファイルをダウンロードします。

そして、こちらが生成されたパワポのスクショです。パワポ資料はわずか1分程で生成されました。

このままでは使用できませんが、生成されたアウトラインを参考に加筆していけば会社説明資料として活用できそうです。「具体的な金額を入力」「具体的な組織図を描く」といった指示もしてくれる点もポイントです。

またイメージ画像もスライドには自動挿入されています。挿入された画像がイメージと合わなければ、Adobe Fireflyの画像を差し込んでも良いでしょう。

パワポ生成AIで生成したアウトラインがあるだけでも、パワポ資料の作成時間削減が見込めるはずです。

まとめ

音楽生成AI「Suno AI」では作曲家も評価する曲が作れる
画像生成AI「Adobe Firefly」では違和感の少ない画像がアウトプットされた
「パワポ生成AI」では手直しすれば活用できそうなパワポ資料のアウトラインが生成できた