PCにはIntelやAMDのプロセッサーのシールが貼付されていますが、インテルの場合、EvoまたはvProのシールが使われていることも。このEvoやvProは、インテルが2020年にリリースした新しいプラットフォームです。Evo、vProのそれぞれの特長と、それを選ぶメリットはどこにあるのでしょうか。

インテルEvoとは？

インテルEvoは、2020年9月にインテルがリリースしたプラットフォームのブランド。新しい働き方に対応した設計で、インテルCoreプロセッサーの第11世代～第13世代がベースになっています。

その他、Evo準拠のPCは次のような要件を満たす必要があります。

バッテリーの性能

特にモバイルPCに求められるバッテリー性能ですが、Evoではフル充電からパフォーマンスを落とさないで9.5時間以上快適に動作することが求められています。省電力モードにしなくてもこの時間使えれば、1日の定時内は電源がなくても業務を行うことができます。

なお、9.5時間以上というのは、ディスプレイがフルHDの場合で、それよりも高解像度の場合は駆動時間が短くても要件を満たすことになっています。4KのPCだと7時間以上です。

移動が多い職種や、電源が確保できない場所で業務をする場合などは、バッテリー駆動時間は大切な要素になります。

充電に関しては、USB Type Cでの高速充電が求められています。

高速通信

最新の無線LAN規格、Wi-Fi 6/6E対応が必須になっているため、高速通信が実現します。Wi-Fi 6/6Eの最大通信速度は9.6Gbps。通信環境が整っている場所なら、インテルEvo準拠PCは通信速度でストレスを感じることはありません。

高画質＆高音質カメラ

Web会議などで大切なカメラの性能もEvoに求められています。会議中に動いていても、照明補正機能で顔にスポットが当たる、などの機能があります。

また、音声についてはノイズ・キャンセリング付きで、周囲に余計な音が発生しても除去されます。

インテル Unison

近日中に公開となっているため、2023年7月現在のモデルには未搭載の新しい機能です。

Evo準拠のPCと、Android/iOSデバイスをシームレスに繋ぎます。これにより、PCとスマートフォンとタブレット間でファイルの転送ができるようになるほか、スマートフォンの連絡先にPCから電話が可能に。また、スマートフォンへのSMSなども、PCで受信できるようになります。

インテルvProのメリット

インテルvProは、ハードウェア・ベースのビジネスクラスの統合型PCプラットフォームです。EvoはノートPCのみですが、vPro準拠のPCはノートPC、ワークステーション、ミニ PC、2 in 1、一体型PCなどさまざまです。

プロセッサーはインテルCoreにくわえて、インテルXeonからも選べます。

vProの大きな特長は、システム管理者が遠隔で安全に操作できることと、ハードウェアを使った強固なセキュリティです。

遠隔操作

リモート管理機能は、Intel Active Management Technology（AMT）という技術によるものです。遠隔のPCの電源がオフになっていたり、OSが応答しなかったりという状況でも、IT部門がネットワーク上のPCをリモートで操作し、運用管理や障害対策を行えます。

テレワークやハイブリッドワークで、従業員、IT管理部門ともにオフィスにいなくても、何かあったときには遠隔で対応できるというわけです。

従来のように、IT管理部門スタッフが現場に赴いて対応する必要がなくなり、IT人材不足の対策や、出張費用等の削減にも繋がります。

下層まで保護するセキュリティ

セキュリティに関しては、インテルハードウェア・シールドがOSより下層への攻撃を保護する力を強化します。

ハードウェア・シールドは、マルウェア攻撃を受けたときに、BIOSのメモリを封鎖することでリスクを最小限に抑え、侵入したマルウェアがOSまで侵害しないように防ぐ働きをもっています。

vProプラットフォーム準拠のWindows PCは、購入サイクルを通じて、ハードウェアの変更が不要になることを目指し、安定した基盤の確保のために厳しくテストされています。

その他の機能

管理業務面以外での用途としても、vPro準拠のPCは高性能です。プロセッサーのCoreやXeonの性能により、動作速度には問題はありません。vProの要件にある、インテル Iris Xe グラフィックスにより、グラフィックや映像制作もストレスなく行えます。

通信機能はもちろん、Wi-Fi 6/6E対応です。

vProにはChromebook向けの「インテル vPro Enterprise（ChromeOS向け）」や、専任のIT管理スタッフがいない中小希望向けの「インテル vPro Essentials」といったオプションも用意されています。

ハイブリッドワークを進める企業や、拠点が複数ある介護サービス団体、生徒全員がPCをもつ科学系の教育機関など、幅広い企業・団体でvProは使用されています。

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まとめ

・インテルEvoとvProは高性能PCの新基準
・Evoはバッテリー性能、高速通信、高画質＆高音質のWeb会議が可能に
・vProのIT管理者はリモート遠隔管理が可能