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解説!2021年に注目されたITトレンドキーワード 13選

前年に引き続き、2021年もコロナ禍が大きく影響した年となりました。2019年に発生した新型コロナウイルス感染症との戦いが始まってから、既に2年以上が経過。人々の暮らしや価値観は大きく変化しています。そこで、仮想空間のビジネス活用や環境問題への関心の高まりなど、いまITに求められている価値について、トレンドキーワードから解説します。

仮想空間と現実空間の融合に関連するキーワード

内閣府の「第5期科学技術基本計画」は、「Society 5.0(ソサエティ5.0)」について、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」であると定義しました。このSociety 5.0の実現に向けて、さまざまなITキーワードがトレンド化しています。

デジタルツイン

デジタルツイン(Digital Twin)は「デジタル空間の双子」を意味しており、IoTやAI、ARなどの技術によって仮想空間に現実空間の環境を再現し、未来を予測する仕組みです。常に現実世界のデータを収集して分析し、その内容をデジタル空間に再現するため、高い処理能力を持ったコンピュータリソースや5Gなど、データを高速にやり取りできるネットワークが不可欠です。

IoT/IIoT/OT

「IoT(Internet of Things)」は、機器や設備がインターネットに繋がることを意味しています。センサー・監視カメラ・ウェアラブルデバイス・スマートフォンなどのモバイルデバイス・自動改札機などがIoTデバイスとしてデータ収集に利用されています。

また、ファクトリーオートメーション (FA)やスマート工場を実現するために使用されるIoTは「IIoT(Industrial IoT)」と呼ばれることもあります。製造現場のシステムを最適に動かすための制御・運用技術である「OT(Operational Technology)」は、もともとインターネットに接続することを想定していない閉じた仕組みでした。しかし近年になって、OTのデータ活用による柔軟な在庫管理や製造管理、経営判断に繋がるデータとしての活用など、IoTとOTを融合させた製造現場のIoTとしてIIoTが注目されるようになっています。

メタバース

「meta(超越した)」と「universe(世界)」を組み合わせた造語であるメタバースは、アバターを介してアクセスするデジタル仮想空間サービスのこと。ユーザー間でコミュニケーションを取ったり、仮想空間の中で提供されるサービスを利用したりすることが可能です。コロナ禍によって世界中でリモートワークが普及した結果、仮想空間におけるサービス提供が注目されました。

2000年代には「セカンドライフ」などが話題になりましたが、当時よりも高速なネットワークや処理速度の高いデバイス、VR/MRテクノロジーの進化により、さらに高品質な仮想空間が利用可能になっています。

2021年にFacebookが社名を「Meta」に変更してメタバース分野への投資を発表し、VRを用いたオンライン会議サービス「Horizon Workrooms」をリリースしたことで、ITトレンドキーワードとして注目されるようになりました。さらに、Microsoftも自社のコミュニケーションプラットフォームである「Microsoft Teams」をメタバースに対応させ、ディズニーも参入を発表するなど、メタバース関連のビジネス市場は急成長する兆しを見せています。

シンギュラリティ

シンギュラリティ(Singularity)とは「特異点」を意味する単語で、AIが人類の知能を超える技術的特異点や、AIがもたらす世界の変化などを示す概念です。人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が2005年に提唱した概念ですが、日本では2016年に「シンギュラリティがやってくる中で、もう少しやり残したことがあるという欲が出てきた」とソフトバンクの孫正義氏が述べたことでトレンド化したキーワードです。

環境問題に関連するキーワード

ここ数年、環境問題に関連するキーワードがトレンド化する傾向にあります。さまざまな社会的課題を解決するにはITが不可欠であり、環境関連のビジネスも活発化しています。

SDGs

持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」です。その内容は多岐に渡っており、貧困・飢餓・ジェンダー平等・清潔な衛生環境へのアクセス・気候変動など、17のゴールと169のターゲットで構成されています。地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っており、日本もSDGsには積極的に取り組んでいます。

こうした取り組みにITが果たす役割は計り知れません。例えば、人や国の不平等を無くすには情報の伝達や共有の仕組みが不可欠ですし、気候変動を研究するためには高い計算能力が求められます。

カーボンニュートラル

温室効果ガスの排出をゼロにして、脱炭素社会の目指すことを意味する「カーボンニュートラル

」。2020年10月に行われた菅 直人総理大臣(当時)の所信表明演説で「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言されたことで一気にトレンド化したキーワードです。

「全体としてゼロ」というのは「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする」という意味。物理的に排出されてしまうガスを0にすることは現実的ではありませんが、排出せざるを得なかった分と同じ量を「吸収」あるいは「除去」することで差し引きゼロにする、つまり「ニュートラル(中立)」ということになります。

再生可能エネルギー・循環可能な資源の有効活用・電気自動車などモーター駆動式の自動車の普及・公共交通機関の充実・CO2を資源として有効活用する「カーボンリサイクル」の技術など、さまざまな取り組みが行われており、カーボンニュートラルに関連した市場は急速に成長しています。

サステナブル消費/サーキュラーエコノミー/エシカル消費

サステナブル(Sustainable)消費とは、地球環境を守る持続可能な取り組みに関連した消費活動のうち、一般消費者が環境に配慮した消費活動を指しています。例えば買い物にマイマッグを持参する・プラスチックのストローをやめて紙のストローにする・なるべく徒歩や自転車で移動するなどがあります。

また、サステナブル消費と合わせてよく使われるキーワードとして、サーキュラーエコノミーがあります。これは、資源をできるだけ循環させながら利用する経済モデルのことで、循環型経済と呼ばれることもあります。

エシカル(Ethical)消費とは、直訳すれば倫理的な消費と言った意味になります。例えばフェアトレード製品を購入する・積極的に地産地消する・環境に配慮した製品を購入するなど、自分のことだけを考えるのではなく、相手のことや社会全体のことを考えた消費のことを指しています。

ウェルビーイング

「ウェルビーイング(well-being)」には、直訳すると「幸福」「健康」という意味があり、幸福で肉体的・精神的・社会的すべてにおいて満たされた状態を指しています。ウェルビーイングが注目される理由のひとつには、SDGsのゴールの中に「すべての人に健康と福祉を」や「ジェンダー平等を実現しよう」などの項目が掲げられていることが挙げられるでしょう。

また、社会的な幸福度を「ソーシャル ウェルビーイング」・経済的な幸福度を「フィナンシャル ウェルビーイング」・身体的な幸福度を「フィジカル ウェルビーイング」・地域社会における幸福度を「コミュニティ ウェルビーイング」など区別して表すこともあります。

その他のトレンドキーワード

Businessman trading on-line, typing laptop background and forex graph hologram.

ビジネス関連法案の改正、マーケティング手法の変化、既存テクノロジーの廃止・置き換えなど、より身近な事柄のトレンドキーワードもあります。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、これまで紙での保存が義務付けられていた帳簿や書類を、一定の基準を満たしていれば電子データで保存することを許可する法律です。1998年の施行以来何度も改正されていますが、2022年1月の改正では帳簿書類の要件が大きく緩和される一方で、電子取引に関する情報の保存義務などが強化されています。

インボイス制度

インボイス(invoice)制度は正式には「適格請求書等保存方式」と呼ばれ、仕入税額控除(課税売上から課税仕入に関する消費税を控除すること)を受けるための改正として、2023年10月1日(令和5年10月1日)より導入されます。

この改正により、仕入税額控除を受けるには「適格請求書」が必要になりますが、適格請求書を発行できるのは消費税の課税事業者のみ。フリーランスや個人事業主など、年間の売上高が1,000万円未満の小規模事業者の多くが消費税の免税事業者だったこれまでとは異なり、この改正によって課税事業者として登録して適格請求書を発行できなければ、取引先が仕入税額控除を受けられなくなる、つまり取引を続けられなくなってしまう可能性が高くなっています。そのため取引先を見直す事業者や、これを機に課税事業者として登録を検討する事業者の間で、トレンドキーワードとなっています。

パーソナライズ

パーソナライズとは、顧客個人(person)に合ったマーケティング手法を意味しています。これまではテレビCMや同じ内容のDMを多人数に送るなど、不特定多数に向けて情報を発信する手法が主流でしたが、パーソナライズは顧客のパーソナルデータをもとに、年齢・性別・購買履歴などを分析して顧客ごとに異なる情報を発信するものです。また、情報銀行などパーソナルデータを活用した新たなビジネスも生まれています。

しかしながら、パーソナルデータの取り扱いは世界的に厳しくなる傾向にあり、個人情報保護法をはじめとする法規制は今後も強化されていくことが予想されているのも事実です。

脱cookie

パーソナライズに関連する仕組みとして、これまでWebブラウザに向けて送られるcookieが広く利用されてきました。しかし、バナー広告などでよく利用されているサードパーティー・クッキーについては、以前からプライバシーの問題が指摘されていました。すでにいくつかのブラウザでは、cookieを受け付けないようにするなどの処置がとられていましたが、いよいよトップシェアを持つGoogleのchromeでも2022年までにサードパーティー・クッキーを廃止する意向を示したことで、Web広告やマーケティングの在り方を再検討する企業が増えています。

音声SNS

音声SNSとは、声を媒体としたSNSサービスです。2020年に登場したAlpha Explorationの「Clubhouse」をはじめ、Twitterの「Spaces」やSpotifyの「Greenroom」、Facebookの「Live Audio Rooms」など、次々と新しいサービスが登場しています。文字よりも細かいニュアンスが伝わりやすく、文字や動画のように画面を注視する必要がないサービスは「ながら利用」向き。コロナ禍でのコミュニケーション不足などを理由に、利用者を急速に増やしています。

まとめ

・仮想空間と現実空間の融合はますます進んでいく
・環境問題への関心が高まっており、IT活用による解決も期待されている
・法改正やプライバシー保護などの身近なキーワードも注目されている

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