kintoneで業務を効率化するアプリを作成しよう~無料のサンプルアプリから簡単に作成できる見積書作成ツール~
業務の効率化は「定型業務をどれくらい便利にできるか」に大きく左右されます。便利なアプリをチームや関連部署と共有すると効率は上がるのは分かっていても、情報システム部に依頼するほど大袈裟な仕組みは必要ない、あるいはそんな予算がない、ということがほとんどです。
そんな時に便利なのが、サイボウズ社が提供する「kintone」。kintoneは、プログラミングの知識がなくても簡単に業務アプリを作成できるクラウドサービスです。無料のサンプルアプリも充実していますし、アプリストアでよくある業務のアプリを購入して、カスタマイズすることも可能です。今回は無料で利用可能なサンプルアプリ「商品見積書パック」を利用して、簡単に見積書を作成する仕組みを構築してみましょう。
30日の無料トライアルでまずは体験
kintoneは30日間の無料トライアルが可能なので、自分たちの業務を効率化できるか試してみることをおすすめします。もちろん、トライアルで作成したアプリは、引き続き有償版でも利用可能です。
kintone
https://kintone.cybozu.co.jp/
kintoneの管理画面。トライアルの残り日数は上部のツールバーに表示される。
商品見積書パックを追加
早速、サンプルアプリ「商品見積書パック」を追加してみましょう。実はこのアプリパックは、見積書を作成する「見積書」アプリと、見積書を作成する際に参照する「商品リスト」アプリの2種類がセットになっています。
管理画面右側にある「アプリ」で「+」をクリックすると、「kintoneアプリストア」が表示されます。左上の検索フィールドに「見積書」と入力すると商品見積パックが絞り込まれて表示されるので、これをクリックします。
「+」をクリック
商品見積書パックをクリック
商品見積書パックの説明ページに遷移するので、「このアプリパックを追加」をクリックし、表示されたダイアログから「追加」を選択します。
「このアプリパックを追加」をクリック
「追加」をクリック
そうすると自動的にkintoneの管理画面に戻り、「アプリが追加されました!」というメッセージが表示されます。アプリの一覧には、「見積書」と「商品リスト」のアプリが追加されていることが確認できます。
「見積書」と「商品リスト」のアプリが追加される
商品リストを作成
見積書を作成する前に、見積書アプリから参照する商品リストを作成しましょう。アプリ一覧から商品リストをクリックし、「+」をクリックして商品のレコードを追加していきます。
「+」をクリックして商品のレコードを追加し、各フィールドに入力
この商品リストで指定された商品名と価格で見積書を作成する
見積書を作成
見積書アプリを開いて「+」をクリックすると、見積書作成画面に遷移します。
見積書アプリを開いて「+」をクリック
宛先や見積番号などを入力し、型番フィールドの右側にある「取得」をクリックすると、先ほど作成した商品一覧が表示されるので、該当する商品を選択します。
宛先や見積書番号などのフィールドを入力し、「取得」をクリック
表示された商品リストから該当する商品を選択する
必要な商品を選択し、数量を入力すると、自動的に合計金額が計算されます。すべてのフィールド入力後に「保存」をクリックすると、その見積書は1つのレコードとして保存されます。
商品を選択して数量を入力すると自動で合計金額を計算する
「保存」をクリックすると見積書アプリのレコードとして保存される
なお、それぞれの見積書(レコード)には、コメントを記載することができるので、お客様に送付する前にチーム内で相互レビューする、上長に確認してもらうといった利用も可能です。
見積書に対するコメントを記載可能
見積書を印刷
作成した見積書の印刷は、レコードの印刷機能を利用します。ツールバーの「…」をクリックして表示されたドロップダウンリストから「レコードを印刷」をクリックします。
「…」をクリックし、「レコードを印刷」をクリック
Webブラウザの別タブで表示された印刷のプレビューから「印刷する」をクリックすると、既定のプリンタに印刷を開始します。今回はPDFに出力してみましょう。
「印刷する」をクリックすると、既定のプリンタに印刷する
Adobe Readerで開いたPDFの見積書
業務に合わせてカスタマイズ
商品見積書パックはあくまでもサンプルなので、やはり実際の業務ですぐに利用できるというわけではありません。kintoneのサンプルアプリは独自にカスタイマイズできるので、それぞれの業務に合わせて変更していくことが前提となっています。
一例として、見積書のフォーマットを少し変更してみましょう。元の見積書アプリでは、宛名は「様」で固定されていましたが、宛先が組織であれば「御中」、個人であれば「様」を選択できるように、ドロップダウンリストにすることも可能です。また、見積書には発行した会社名や連絡先が必要なので、「会社名」「住所」「電話番号」もラベルで配置します。
これらの変更は、「アプリ設定の変更」画面から行います。ツールバーにある「アプリ設定の変更(歯車のアイコン)」をクリックし、フォームタブでカスタイマイズしていきます。ここでは「様」のラベルを削除し、ドロップダウンリストとラベルを配置しています。
「アプリ設定の変更(歯車のアイコン)」をクリック
初期状態のフォーム
カスタマイズしたフォーム
ドロップダウンリストで「御中」と「様」を選択可能に
カスタマイズ後の印刷プレビュー
もちろん、見積書フォームだけではなく、見積番号を自動で採番する、商品リストに別のフィールドを埋め込むなど、さまざまなカスタマイズが可能です。また、kintoneには「プロセス管理機能」が標準で提供されているので、「上長の承認を得る」などの見積書提出のプロセスも、アプリ内でペーパーレスに完結できます。
このように、kintoneは「定型業務の面倒な作業を効率化するのにちょうど良い」クラウドサービスです。Webベースで部門や組織を超えた利用もできるので、まずは自分たちの業務を効率化できるかどうか、試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・kintoneは開発の知識がなくてもアプリを簡単に作成できる、クラウドサービス
・ストアから追加可能なサンプルアプリも充実したラインアップ
・サンプルアプリは自分たちの業務に合わせてカスタマイズ可能
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・ここ数年でのビジネスシーンの変化が知りたい・どのツールを使ったら良いのかわからない・困った時に相談したい新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、多くの企業で新しい働き方を求められるようになりました。
請求書処理を自動化・効率化するには?
テレワーク普及や国を挙げてのデジタル化が進められていく中で、「電子帳簿保存法」の改正やインターネットの普及でさまざまなクラウド型システムが登場し、請求書を発行、管理するシステムをすでに導入して業務効率化を実現している企業は多いでしょう。