OpenAIのChatGPTやMicrosoftのCopilot、AdobeのAdobe Fireflyなど、アメリカ企業は話題の生成AIを数多くリリースしています。アメリカは生成AIの分野で他国から一歩抜き出ている印象があるでしょう。では日本における生成AI情勢はどうなっているのでしょうか。今回は、国内における2024年春の生成AI動向を見ていきます。

国内生成AI動向①：「GENIAC（ジーニアック）」が開始

2024年2月、「GENIAC（Generative AI Accelerator Challenge：ジーニアック）」が開始されました。GENIACとは、経済産業省が主導する国内生成AI開発力強化プロジェクトのこと。具体的には、生成AIの基盤モデルの開発に必要な計算資源の提供支援や、関係者間の連携促進・対外発信等を実施します。

経済産業省は「生成AIの開発力の有無は、国内のAIの利用可能性や、創出するイノベーションの幅を決し得る要素」とし、アメリカ企業が先行する生成AI情勢において、政府も国内生成AIの開発支援に乗り出した形になります。

参考：生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC」を開始します｜経済産業省

国内生成AI動向②：自治体での活用加速

2023年より自治体の生成AI導入が全国に広がりを見せる中、2024年に入って自治体での生成AI活用が加速しています。例えば、全国で最も早く国産生成AIを導入した相模原市では、2024年3月の市議会にて、生成AIで生成した原案を用いた市長答弁が行われました。また熊本県では、あいさつの文案作成や企画案の検討に生成AIを活用しています。

自治体向け生成AIサービス(「exaBase 生成AI for 自治体」)なども生まれており、自治体での生成AI活用は今後ますます広がりを見せそうです。なお、自治体におけるAI活用事例については以下でも取り上げています。

関連記事：自治体のAI活用はどこまで進んでいる？5つの活用事例を紹介

参考：相模原国産生成AIが初めて作った答弁を市議会で｜NHK

参考：生成ＡＩ県があいさつ文作成など業務での活用始める｜NHK

国内生成AI動向③：国産大規模言語モデル（LLM）が続々と提供開始

2024年は、生成AIの基盤となる国産大規模言語モデル（LLM）が続々とリリースされています。2024年3月には、NTTが国産大規模言語モデル「tsuzumi（つづみ）」の提供を開始。tsuzumiは軽量でありながら世界トップクラスの日本語処理性能を持つと言います。

また、東京大学発のスタートアップ企業・ELYZA（イライザ）も、2024年3月に日本語大規模言語モデルの開発を発表。同モデルのパラメータは700億であり、同社によると「グローバルモデルに匹敵する性能」だという。

そのほか、ソフトバンクは日本語に特化した、国内最大規模の学習量を誇る国産大規模言語モデルを2024年中に開発する方針です。

参考：満を持してデビュー！大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」記者会見速報｜日本電信電話株式会社

参考：グローバルモデルに匹敵する700億パラメータの日本語LLMを開発しました｜株式会社ELYZA

参考：国内最大級の生成AI開発向け計算基盤の稼働および国産大規模言語モデル（LLM）の開発を本格開始｜ソフトバンク株式会社

国内生成AI動向④：生成AIの業界団体が発足

2024年1月、生成AI活用を推進する産学連携の業界団体「Generative AI Japan（略称「GenAI」）」が発足しました。GenAIでは、生成AIのビジネスユースケースの共有・実装支援や生成AI活用のルール作り＆提言など、5つの活動計画を軸に、生成AIの活用促進および社会提言を行うとしています。

2024年4月現在、多くの企業・自治体が生成AIガイドラインを設けています。同団体の活動により、引き続き生成AIの安全性・信頼性を高めるためのルール作りが発展することが予想されます。

参考：一般社団法人Generative AI Japan

Microsoftの生成AI Copilotを使ってみた！

記事はこちらから
https://note.com/hyper_voice/n/n9b678d239f39

Microsoft Copilot の法人向けライセンスは当社でも販売しています。

こちらからご確認下さい！

https://www.saas-maru.com/item/384

まとめ

2024年2月、生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC（ジーニアック）」が始動
2024年は続々と国産大規模言語モデル（LLM）がリリースされている
2024年に入り、自治体での生成AI活用の幅が広がっている