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PDFにタイムスタンプを付与する方法とは?

電子帳簿保存法が2021年に改正され、2023年にはインボイス制度が導入されることから、電子データのやり取りの活発化が考えられます。そんな中、紙に比べて改ざんが容易な電子書類の真正性を保証するものとして注目されているのが「タイムスタンプ」です。現在、企業間でやりとりされている電子書類のほとんどがPDF形式ですが、PDFへのタイムスタンプ付与が可能になるソリューションとして、Adobeの「Acrobat Reader」が注目されています。そこで今回は、「PDFへのタイムスタンプ付与」に焦点を当ててみましょう。

タイムスタンプが必要なワケ

タイムスタンプとは、その電子データが存在していた時刻と、その時刻以降に改ざんされていないことを証明するために、第3者機関であるTSA(時刻認証局)が発行する証明です。電子データは紙の書類に比べて改ざんしやすいため、改ざんされていないことを確認することができるタイムスタンプは、電子書類を取り扱ううえで重要なものなのです。

電子帳簿保存法・インボイス制度との関連性

契約に使用する電子データは数多くありますが、その中には電子帳簿保存法に基づいたタイムスタンプ付与が義務付けられているものと、そうでないものがあります。具体的には、国税関係帳簿や決算関係書類は財務会計システムで管理されることが想定されており、タイムスタンプを付与する必要がありません。それに対して、紙の書類をスキャナ保存したり、電子取引のために電子書類を発行したりする場合は、タイムスタンプを必ず付与しなければなりません。

2021年に改正された電子帳簿保存法では、スキャナ保存の要件として、「概ね約2ヶ月と7営業日以内」にタイムスタンプを付与しなければならないことになっています。ただし、データの削除や訂正が確認できるクラウドシステムなどに「概ね約2ヶ月と7営業日以内」に書類データを保存した場合は、タイムスタンプの付与は必要ありません。

さらに、2023年からはインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。インボイス制度が始まると、これまでよりも会計処理業務が複雑化するため、電子データとして処理できる電子インボイスの活用が進むことでしょう。そして、電子インボイスの真正性を確認するためには、タイムスタンプの付与が必要不可欠です。

タイムスタンプに似ているものとして「電子署名」がありますが、これは紙の書類における印鑑やサインに相当するもの。電子署名だけではその書類の実効性は証明できません。身分証である電子証明書と合わせて、「いつからこの電子書類が存在しているか」を証明するタイムスタンプが必要になります。つまり、電子契約は電子署名とタイムスタンプの双方を用いて法的効力を担保しているのです。

タイムスタンプの用途とは?

タイムスタンプは現在、設計図などの知的財産をはじめ、電子契約書、電子医療カルテなど、電子データの中でも、その真正性と「いつから存在しているのか」を明確化しなければならない書類に使用されています。

タイムスタンプが原本性を証明する効力を持っている理由は、タイムスタンプを発行するTSA(時刻認証局)が、信頼性の高い第3者機関であることにあります。タイムスタンプが発行できるのは、一般財団法人日本データ通信協会の認定を受けている時刻認証業務認定事業者のみです。

タイムスタンプのデータ証明はどのように行われるのか

まず、利用者は電子データから得られる「ハッシュ値」という固有の文字列を取得し、それをTSAに送付することになります。そして、TSAはそのハッシュ値に時刻情報を加えたタイムスタンプを利用者に発行。このとき、元の電子データのハッシュ値とタイムスタンプのハッシュ値とを比較することで、データ証明を行うことができます。ハッシュ値が一致していれば、データの存在、そして改ざんされていないという証明ができ、ハッシュ値が不一致であれば、データが変更・改ざんされている恐れがある、というわけです。

タイムスタンプ付与の方法をチェック!

PDFにタイムスタンプを付与するには、タイムスタンプ付与専用の文書管理システムの利用、会計ソフトなどの業務に特化したシステムの利用などの方法があります。今回はその中でも比較的一般的な、Acrobat Readerを使用して無料でタイムスタンプを付与する方法をご紹介します。

まず、初期設定を行います。無料の「Acrobat Reader DC」を使用しますので、お持ちでない方はAdobe公式ホームページからダウンロードしてください。

  • Acrobat Reader を起動し、メニューから「編集」→「環境設定」をクリックします。

分類から「署名」を選択し、「文書のタイムスタンプ」→「詳細」と進みます。

  • 画面が切り替わったら「タイムスタンプサーバー」から「新規」をクリックします。
  • 名前とURLを入力します。「URL」にはフリーで使用可能なタイムスタンプサーバーのアドレスをご入力ください。
  • 「デフォルトに設定」をクリックし、画面を閉じます。警告が出た場合は「OK」をクリックします。

以上で初期設定は終わりです。

続いてタイムスタンプを付与します。

  • タイムスタンプを押したいPDFをAcrobat Readerで開きます。その後「ツール」から証明書の「開く」をクリックします。
  • 文書の上部分に「タイムスタンプ」と表示されているのでクリックします。PDFファイルを適当な場所に保存します。
  • タイムスタンプが付与されます。成功していれば、「署名済みであり、すべての署名が有効です」と表示されます。また、「署名パネル」から詳細な情報を確認することができます。

タイムスタンプは、電子データにおいて重要な役割を担うものです。インボイス制度をはじめ、今後ますますその需要が拡大するであろうタイムスタンプのポイントをおさえて、電子データを有効に、そして効率よく活用していきましょう。

まとめ

・タイムスタンプは第3者機関であるTSA(時刻認証局)が発行しており、セキュリティ性の高いハッシュ値を使用することで高い真正性が保証されている
・電子帳簿保存法に基づき、特にスキャナ保存した電子データには「概ね約2ヶ月と7営業日以内」にタイムスタンプを付与しなければならない
・Acrobat Readerを使用することで、簡単にPDFファイルにタイムスタンプを付与できる

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