SNSで自社の宣伝や市場調査などを行う起業も多くなりました。少し前まではTwitter、Facebook、Instagramが中心になっていましたが、SNSの種類も増えて、今後どのSNSを使うか迷っている企業も多いのではないでしょうか。

そこで、SNSのビジネス活用方法とともに各SNSの特徴を探ってみましょう。

SNSのビジネスユース

SNS（ソーシャルネットワーク）のビジネスユースには、情報を発信するツールとして用いるケースと、マーケティングのための調査に用いるケースがあります。

情報発信の主な目的としては、以下のようなものが考えられます。

企業の知名度を上げる

中小企業でも投稿内容によってはフォロワーが増え、結果として企業の知名度を上げることが可能です。例として、農業法人が主な生産物の上手な保管方法や料理方法を投稿して人気を集めた事例があります。

新製品を紹介する

SNSは情報の早さがメリットです。情報解禁と同時にSNSで紹介することで、購買意欲につながることが望めます。

自社HPやECサイトに誘導する

投稿内容が興味深いものであれば、直接URLを貼っておかなくても検索して該当の情報にたどりつくでしょう。

キャンペーンやイベントの告知をする

投稿の共有を促すことで、情報の拡散が期待できます。

顧客とのコミュニケーション

緩めのメッセージの投稿や、顧客や他企業からのコメント、「いいね」などで、コミュニケーションを図れます。

市場調査を行う

投稿内容を分析することで、顧客の興味や売れ筋製品などの情報を調べることも可能です。

ビジネス向きのSNSは？

総務省情報通信政策研究所が2023年6月に発表した「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の中の「【令和４年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率」から、全年代（N=1,500）の利用率を多い順から並べると以下のようになります。

利用率が高ければ、目に触れる機会も当然多くなるため、どのSNSを使うかの基準の一つになるでしょう。

LINEは、公式アカウントの「友だち」になってもらえば、持続的に情報を流せる使い方ができます。

YouTubeは、視聴者が多いことがメリットで、エンタテインメント業界など、動画を使ったアプローチには最適です。けれども、動画を作成しなくてはならないため、こまめに情報を流したい場合には向きません。

Instagramは、ビジュアルで訴えたいときに効果的です。デザイン性の高い製品や、着用・使用イメージなどを伝えたいときには、文章メインのSNSよりInstagramは向いています。

X（Twitter）は、多くの企業がアカウントを持ち、広報活動に用いています。7月に一時的なものとして1日の閲覧制限が設けられたことがあり、それ以来少しずつアクティブユーザーが減少しているとのことですが、急激に離脱するユーザーが増えることは今のところなさそうです。

Facebookは、メインユーザーが30～40代と、年齢層が比較的高めなため10～20代へのアプローチは低いのですが、ライフステージや興味、業種などのターゲットを絞った広告が配信しやすいことが強みになっています。また、自社HP代わりにFacebookページを使っているケースも多く見られます。

TikTokは、ショートムービーをアプリ内で撮影・編集・閲覧できる、Z世代を中心に人気のSNSです。企業などが作ったハッシュタグに合う動画を投稿する「ハッシュタグチャレンジ」というTikTokならではの使い方があります。

その他のSNS

新しく誕生したSNSや、ユーザー数は少ないがチェックしておきたいSNSを紹介します。

■LinkedIn

ビジネスに特化したSNSです。海外では名刺代わりに使われており、営業で会った顧客などとつながり、セールスに用いられています。

日本では、主に転職エージェントのような使われ方をしています。経歴を見た企業がオファーを出し、転職につなげます。

■Threads

Metaが2023年7月に立ち上げた新しいSNSです。リリースと同時に多くのユーザーが登録し、その数は世界で1億を超えました。企業もアカウントを作っているので、定着すればビジネスにも使えるかもしれません。

Instagramのアカウントと連携するため、うまく両方を使い分けると効果がありそうです。ただし、まだハッシュタグが使えない、単語検索ができないなど、使い勝手の悪さもあり、今後どうなるか見ていきたいところです。

■Mastodon

Twitterのような感覚で使用できるSNS。分散型のオープンソースのソフトウェアなので、自由に「インスタンス」と呼ばれるサーバーを立ち上げられます。一般ユーザーはインスタンスを選んで登録するしくみになっています。異なるインスタンスのユーザーともコミュニケーションはとれますが、ほかのSNSのように一気に情報を拡散するのは難しいといえます。

■Misskey

日本発の分散型ミニブログです。Mastodon同様、分散型サーバーにより運用されています。ユーザー数も徐々に増えていますが、まだビジネスユースには弱い印象です。

■Bluesky

Twitterの共同創業者、ジャック・ドーシーをはじめとするメンバーが発案した新しい分散型SNS。Twitterに似た使い勝手で評判もいいのですが、まだベータ版で登録も招待制になっています。これからどうなるか、チェックしておきたいSNSです。

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まとめ

SNSは広報や市場調査に利用できる
目的に合ったSNSを選ぶ
新興SNSも要チェック