多くの企業でペーパーレスが推進され、かつてに比べるとドキュメントを紙に印刷する機会は減りました。とはいえ、顧客への営業訪問で資料をプリントアウトして渡すことなどはまだまだあるでしょう。

困るのはテレワーク時。突然印刷した資料が必要になって、オフィスに立ち寄る時間もない……そんなとき、どういった対応が適切なのか、また、テレワーク時の印刷で気をつけなければいけない点は何なのか、確認してみましょう。

テレワーク時の印刷についてはルール化が必要

書類を印刷する必要が出てきたときにどうするかは、オフィスにいる時は特に考える必要がなくとも、テレワークの場合は以下のようなリスクが考えられるため、事前にしっかりルールを定めておく必要があります。

・印刷物の紛失による情報漏えい
これはオフィスのプリンターで印刷した場合でも起こりえることですが、印刷物の置き忘れ、紛失などにより第三者に内容を知られてしまう可能性があります。

・プリンターに残ったデータの悪用
プリンターによっては、印刷したデータを機械にスプール（記憶）されていることもあります。これを悪用されることがないとは言えません。

・プリンターをつないでいるネットワークへの不正アクセス
ラベルプリンターなどはスタンドアロンの製品もありますが、現在、ドキュメントを印刷するプリンターや複合機はネットワークにつないで使うようになっています。そのため、万が一ネットワークに不正アクセスされてしまうとプリンターにスプールされたデータから情報漏えいが発生することもあり得ます。

セキュリティを考えると、理想をいえばオフィス外での印刷は禁止にできればいいのですが、業務上印刷が必要になる場合は、どの書類は印刷OK/NGとするのか、印刷をする方法はどうするのか、明文化しておくことが好ましいといえます。

例えば、客先に手渡す製品情報の印刷はOK、個人情報や社外秘を含む書類はNGなどです。

オフィス外で印刷をするときには、先に述べたようなリスクがあることを従業員に周知しておきましょう。

テレワーク時に印刷するには？

セキュリティの問題も踏まえた上で、テレワーク時に印刷する方法を考えましょう。

・自宅にプリンターを設置
印刷する頻度が高い従業員、オフィスから遠方に住んでいて印刷するたびに出社するのが大変な従業員にはプリンターを自宅に設置してもらうのも一つの手です。

その場合、もし故障したときのメンテナンス方法や、インク・用紙などの発注方法なども事前に決めておくといいでしょう。

プリンターの印刷履歴機能を提出してもらえば、必要以上に印刷をしていないかが確認でき、社内データを印刷してほかに持ち出していないかの確認にもなります。

自宅で使うなら、モバイルプリンターがコスト面、設置スペースの面で便利です。

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・ネットワークプリンターの利用
急に印刷の必要が出た場合は、コンビニやキンコーズなどのプリントサービス機関を使うことも多いでしょう。

このとき、USBメモリやCDなどのメディアにデータを入れていき、それを印刷する方法と、ネットワークからデータを登録しておき、コンビニ・サービス機関で印刷する方法があります。

どちらの方法でもセキュリティ面で問題が全くないわけではありませんが、媒体を持ち歩くよりはネットワークプリントを利用したほうが安全です。

印刷物を置き忘れないように気を付けていても、USBメモリを置き忘れてしまうリスクがあり、コンビニなどのプリンターはデータをその場で消去するようになっていますが、いったんは機器にデータを読み込むことになるのでその分リスクも少し増えるからです。

もちろん、クラウドにデータをあげるネットワークプリントも100％安全ということはないのですが、わずかでもリスクを減らす方向で考えることが大切です。

ネットワークプリントには、データをクラウドにあげて、郵送等で印刷したものを送ってもらうサービスもあります。

既に発売した製品カタログのようなものなら、情報漏えいの心配をする必要もなく利用できます。

コンビニやネットワークプリントなどには、Word、ExcelはNG、PDFのみなど、データ形式の制約がありますので注意が必要です。

・シェアオフィスなどのプリンター
コワーキングスペース・シェアオフィスの多くは、備え付けのプリンターが用意されています。

チェーン展開しているようなところなら、プリンターのセキュリティ対策をとっているところも多いですが、中には印刷したデータがそのまま機器内に残ってしまうところもあるかもしれません。

注意書きをよく確認した上で、使うように心がけるようにしましょう。

印刷した書類の廃棄方法も大切

印刷した書類の保管方法や廃棄方法も併せてルール化しておきましょう。必ずオフィスに持ち帰って、シュレッダーにかける、家に小型のシュレッダーを設置してそこで廃棄するなどして、印刷した書類からの情報漏えいリスクを減らす工夫が必要です。

まとめ

・テレワーク時の印刷ルールを社内で決めておく
・テレワーク時は、自宅・ネットワークプリント・シェアオフィスなどを利用
・印刷した書類の廃棄方法も徹底する