Microsoftは将来的にWindows Server Update Services（ WSUS ）を廃止することを発表しました。現行のサービスのサポートは続きますが、新しい機能の実装、新機能の要望の受付はなくなります。具体的な期日はアナウンスされていませんが、今後のクライアント更新管理方法を今のうちに考えておきましょう。

WSUSとは

Windows Server Update Services（ WSUS ）とは、Windows ServerOSの機能の1つ。単一のハブで組織内で使用されているデバイスのWindows OS更新を管理します。

WSUSを使うと、管理しているWindows PCの更新プログラムのタイミングを遅らせたり、配信時期を選択したり、受信する個々のデバイスを決定したりできます。

また、更新プログラムを直接Microsoftサーバーからインストールすることなく、WSUSを経由して各デバイスに配布することもできます。

Windows Updateによって、まれにアプリケーションが不具合を起こすこともありますが、WSUSで更新プログラムをコントロールすることで、そういった事態を防げるのです。

WSUSに代わるツールはあるのか？

しかしながら、2024年9月にWSUSの廃止がMicrosoftから発表されました。廃止といっても、〇月△日から使えなくなるということはなく、現行の機能はそのまま維持され、WSUSチャネルを通じての更新プログラム提供は継続されます。すでに公開済みのコンテンツも引き続きサポートされます。

ここでいう「廃止」は積極的な機能・サービスの開発が行われなくなることをいいます。つまり、機能がより使いやすくアップグレードされていくことはないので、Microsoftは今後のクライアント更新管理に、Windows Autopatch、Microsoft Intune、サーバー管理にはAzure Update Managerを勧めています。

WSUSはオンプレミス環境で用いられてきたサービスで、今回の廃止はクラウド上で簡易にWindows OSの管理を目指すためとされています。

移行が勧められている3つのツールは、クラウド、オンプレミス両方に対応するものもありますので、どうしてもオンプレミス環境でのデバイス管理が必要な場合は、クラウド・オンプレミスのいずれに対応しているかを確認するといいでしょう。

後継にお勧めのツールを紹介

Microsoftが推奨している、代替のWindows OS管理ツールをご紹介します。

Windows Autopatch

Windows Autopatch（Windows自動パッチ）は、組織内のデバイスにインストールされているWindows、Microsoft 365 Apps for enterprise、Microsoft Edge、Microsoft Teamsの更新プログラムを自動化し、セキュリティと生産性を向上させるクラウドツールです。

Windows Update for Businessは2024年9月にWindows AutoPatchの下に統合されました。
SaaSとして提供され、オンプレミスの投資を減らしていくことにつなげられます。

機能は、企業内のデバイスのソフトウェアを最新の状態に保ち、脆弱性と脅威を低減させます。また、定期的なエンドポイント更新プログラムは自動化され、新しいサービスを登録、デバイスへの配信作業もWindows Autopatch経由にすることで、情報システム・IT担当者は更新作業に割く時間を抑えられます。

更新プログラムのアップデートは「更新リング」で順次行われます。更新リングというのはアップデートを行う対象デバイスをグループ分けして更新し、動作確認を同時に行って対処していく方法です。情報システム部門などのグループでまず検証を行ってから一般社員に展開するため、不具合が起こることは減り、業務を止めるような事態になることを防ぎます。

ライセンスは、Business PremiumおよびA3+ライセンス、Windows Enterprise E3+およびF3ライセンスの2通りです。

Windows 自動パッチとは?｜Microsoft
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/windows-autopatch/overview/windows-autopatch-overview

Microsoft Intune

クラウドベースで、企業内のデバイス（エンドポイント）を管理するツールです。組織のリソースへアクセスするユーザーを管理するとともに、モバイルデバイス、ノートPC、デスクトップPC、仮想エンドポイントなど、デバイスとそこにインストールされているアプリの管理を行います。

Intuneでは、更新プログラムやアプリの削除などを行え、Microsoft Teams、Microsoft 365アプリを有効にすることもできます。アプリ保護ポリシーの作成やアプリ、そのデータへのアクセス権まで管理が可能です。

各デバイスのユーザーが、自分でポータルサイトやWebサイトにアクセスして、PIN/パスワードのリセット、アプリのインストールを行うよう設定などもできます。

また、高度な管理やセキュリティのためのアドオンも用意されています。

Microsoft Intune とは｜Microsoft
https://learn.microsoft.com/ja-jp/mem/intune/fundamentals/what-is-intune

Azure Update Manager

WindowsだけでなくLinuxの更新プログラムも管理できるツールです。Azureなどのクラウドプラットフォーム、オンプレミスの両方で利用できます。
1つのダッシュボードから、更新プログラムのタイミングを管理したり、コンプライアンスを監視したりします。

更新作業はリアルタイムで行うことも、業務のピーク時を避けて自動更新にすることも可能です。

リソースごとの詳細なアクセス制御、ロールベースのアクセス制御（RBAC）が実現します。
※ RBAC：ユーザーごとに1件または複数の異なる権限を付与したロール（役割）を割り当て、アクセス制限を行うこと。

Azure Update Manager – パッチ管理 | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/azure-update-management-center

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まとめ

Windows Server Update Servicesが廃止になる
乗り換えるのにWindows Autopatch、Microsoft Intune、Azure Update Managerがおすすめ
ハイパーのMicrosoft 365-BPOなら社内での作業が不要